B@SEラボ vol.6 「子どもたちを主語にして、まちのことを考える」

「貧乏」だけど幸せな人はいる。でも「貧困」だけど幸せという人はいない。
じゃあ貧乏と貧困って何が違うのか?
今回のB@SEラボではレゴブロックを使って「貧乏でも貧困にならない街」をつくってみました。


こちらの写真の街で出てきた要素としては、「子どもたちが行ける居場所が街の中にいくつもあること」「それぞれの場でいろんな人に出会えること」「子どもの変化や成長をキャッチできる場が学校以外にも多様にあること」などがありました。


こちらの写真の街では、「日常の人間関係は、救われることもあれば傷つくこともあるけど欠かせないこと」「何かしんどい思いをしている人が渡ってこられる橋を架けること」「その橋を渡ったことで、いろんな資源を持った人とつながることができて、そこからさらにいろんな頼れる人につながっていけること」「頼れる人とつながることで、ポジティブな思考になれること」「ポジティブな思考になれることで、自分の生活や人生で必要なことややらなければならないことを選択し、行動できるようになること」などがありました。


こちらの写真の街では、「地域の人と気軽に関係性をつくれるものがあること」「日常の場と、非日常の場の両方があることで刺激を得ることができること」「近所の日常の場だけじゃなく、遠い街の非日常の場にも行くことで、普段関わらない人と関わったり初めて知るものに出会うことができ、視野が広がること」などがありました。
参加していただいた皆さんからの視点も踏まえて街のことを考えてみると、「あー確かにそれも大切だ!」と気づくことがたくさんありました。


こんな街を実現するために、まだまだこれからも頑張っていかなければと思っています。
皆さんも何かできることで手を貸してください!
お願いします!

B@SEラボ vol.5「あらためて考える貧困問題のこと」

今回のB@SEラボでは「あらためて考える貧困のこと」をテーマに、普段当たり前のように耳にする子どもの貧困について話し合い、深めていきました。

最近多くの人に知られるようになった貧困問題ですが、「そもそも貧困って何なの?」というのをあらためてみんなで考えようということで、内容を組み立てました。

相対的貧困率の紹介や、大田区での生活困難層の定義、貧困対策の活動をしている方々はどんな定義付けをしているのかなどをご紹介したあと、レゴブロックを使って"自分が考える貧困の定義"をつくり、共有しあいました。

言葉だけではなくレゴブロックを使うことで、その人が思っていることが可視化され、本人も気づいていなかったことに気づくこともあります。

今回のB@SEラボで出てきた貧困の要素としては”社会からの目”、”当事者が隠そうとする”、”周囲から見えづらい”、”第3者が介入しづらい”などが挙げられ、なんとかしたいと思っているけれど、うまく周りに頼れない当事者と、できることがあれば力を貸したいけれど、どうやって関わっていいか分からず悩んでいる地域住民の双方の、ある種にらめっこのようなものが、貧困問題を根深くさせている原因なのではないか、という表現をしていたものが多かったです。

「貧困問題を何とかしたい!」と言っても、そもそも貧困って何が問題なのか?その定義が曖昧なままではどんな取り組みや活動をしたらいいかもあやふやになってしまいます。
だからこそ、いろんな価値観を持った人や様々な立場の人が一緒になって話して考えることがとても大切だと思っています。
今回出てきた意見の中には、今まで自分たちだけでは考えつかなかった視点もあり、今回のラボで出てきた意見も踏まえて私たちの活動も見直していければと思います。

お忙しい中ご参加いただいた皆様どうもありがとうございました。

B@SEラボ vol.4「弁護士の視点から考える子どもの貧困対策」

今回のB@SEラボでは「弁護士の視点から考える子どもの貧困対策」として、弁護士でもあり、貧困問題・自殺対策検討委員会も務めていらっしゃる武藤高晴さんにゲストとしてお越しいただきました。

弁護士だからこそできることって何なのか?そもそもなぜ弁護士という立場から貧困問題に取り組もうと思ったのか?など、様々な質問をさせていただき、それらに答えていただきました。

日本の資源は人である。だからこそ教育の機会が得られたのがたまたま良い家庭に生まれたからではなく、どんな家庭に生まれても機会は平等に与えられなければいけない。
地域の住民だからこそ、一人ひとりの「困」に寄り添って支えることができる。弁護士という立場だからこそ、法律に関する手続きなどをサポートすることができる。それぞれの立場を生かし合って1人を支える生態系ができればいいなーと思いました。

お忙しい中ご参加いただきました皆様どうもありがとうございました。

B@SEラボ vol.3「学校現場から見た子どもの貧困」

7月19日(水)にB@SEラボvol.3「学校現場から見た子どもの貧困」を開催しました。

山梨県高等学校・障害児学校教職員組合の小池先生をゲストにお呼びし、”学校”という視点から貧困問題を考えました。

経済的な貧困はなくても、人間関係などで困ってしまう子がいることや、特別支援学校のマンモス化、全県一学区になったことによってどんなことが起きているのかなど、様々な視点からお話いただきました。

学校でなければできないこともあるけれど、学校だけじゃ抱えきれないこともあるんだと改めて気づかされました。
「学校がしっかりしろよ!」などと押し付けるのではなく、なぜ先生たちが多忙になってしまっているのか?もっと地域とつながって子どもたちの成長を支えるにはどうしたらいいのか?を考え、実際に行動していくことがとても大切なんだろうと思います。

今回のB@SEラボでも、小池先生からお話を聞いた後に参加者の皆様がそれぞれ話したいテーマを出して、小さな分科会をつくってお互いに考えていることを話すプログラムも行いました。

「支援学級の子とどうやって付き合っていけばいいのか?」
「実際にどんな制度を利用していくことができるのか?」
「行きたい進路を貧困が理由で諦めなければならない子にどんなことができるのか?」
「外国にルーツを持つ子にはどんな取り組みが必要なのか?」
「実際に自分が授業をするなら、どんな授業をするのか?」
など、学校で起きている現状を聞いただけに終わらせず、じゃあ自分はどんなことができるのかを考え、みんなで話す場をつくることができました。

行政や既存の制度、仕組みでは解決しきれていない領域だからこそ、まずはその地域に住んでいる住民がどうやったらできるかを考え、アクションしていくことが大切です。

これからのB@SEラボも、話を聞いて終わりではなくて、実際に自分はなにができるのかを考え実行するきっかけになる場でありたいなと思っています。

お忙しい中お話いただいた小池先生、またご参加いただいた参加者の皆様、どうもありがとうございました!

B@SEラボ vol.2「リカバリーの視点から考える関わり方」

「子どもたちの学びの場をつくっている大人のための学びの場」

B@SEラボvol.2として、今回は「リカバリーの視点から考える関わり方」というテーマで勉強会を行いました。

リカバリーという言葉を皆さんはご存知でしょうか?

リカバリーとは、「精神障害のある人が、それぞれ、自分が求める生き方を主体的に追求すること」であり、それを支援することが、医療関係者や福祉関係者に求められるということだと思います。
リカバリーの目的は、症状をなくすことではありません。治療によって症状を和らげることはもちろん必要ですが、何より大切なのは、本人が、こういう生活がしたいという夢や希望を持ち、それを周囲が支えることです。たとえ統合失調症の症状が残っていても、症状とうまくつきあいながら、学校に通ったり、働いたりしている人は少なくありません。
NHK ONLINE 若者のこころの病 情報室より

”支援”というと、相手の「できないこと」にフォーカスが当たりがちですが、リカバリーというのは相手の「できること」に注目しようという視点です。
今回のラボでは、「エンパワメント」と「強み(ストレングス)」について詳しくお話いただきました。

「エンパワメント」とは、障害をもつ人に力(パワー)をつけさせることではなく、本人がすでにもっている力を正当に発揮できる環境づくりを、本人と一緒に行う活動のことを指します。つい相手のできないことをなんとかするためにいろいろと「やってあげよう」としてしまいますが、やりすぎてしまうとエンパワメントの矛盾も起きてしまいます。

エンパワメントのパラドックス(矛盾)

支援者が本人に力をつけさせようと意図的に働きかけたり、問題を解決してあげると、逆に自ら問題を解決していく力を失う

また、「強み(ストレングス)」とは相手ができること・やりたいと思っていることを指します。「関心・願望」「性質・性格」「才能・技能」「環境」に分けて、その人が持っている資源を出していきます。

このようにリカバリー視点で相手の強みを大切にすることによって、相手が内発的に動機付けられていくんです。
今回の勉強会でのお話の中で、一番印象深かった言葉が「人は、興味や関心、向上心、長所に基づいて成長する」でした。
支援しよう!とか教えてあげよう!とかって気持ちが強すぎると、つい相手のできないところばかりに目がいってしまう。でもやっぱり人は自分の好きなことやできることから成長していくんだなということに気づかされました。

好きなことを目一杯やれる環境があるからこそ、できないことにも向き合うことができる。僕らは徹底的に子どもたちのできることや好きなことを広げるお手伝いをしていこうと、心に誓いました。

 リカバリーという概念を学んだ後は、実際に相手の強みを見つける練習として、各グループで折り紙を使ってつくった”箱”を社会で活用するためにはどうしたらいいか?を考え、アイディアを出していきました。
「この箱でしかご飯が食べられないから痩せることができる」
「取り外しが簡単でいろんな色や柄があるので、簡単に着せ替えられるパソコンにする」
など、斬新なアイディアがたくさん出てきました。
これは箱の強みに着目していなければアイディアは出てきません。
対象が箱から人に変わっても全く一緒ですよね。

「あなたは堂々とやっていい!」
こう言ってあげられる人でありたいと思いました。

今回のB@SEラボにご参加いただいたみなさまどうもありがとうございました。

 

 

B@SEラボ vol.1「まちに必要な学びの居場所って?」

 5月21日(日)にB@SEラボという勉強会の第1回目を開催しました。

学習支援や子ども食堂などの活動が増え、福祉や教育の専門家ではない人も子どもたちと関わる機会が増えてきました。
ですが、「この子とどうやって関わったらいいんだろう…」と不安を抱えている人や、子どもたちとの関わり方についてもっと学びたいという人が学べる場所がまだまだ少ないなと思っています。

「 学びの場をつくっている大人のための学びの場 

これがB@SEラボのコンセプトです。

子どもたちとの接し方を学んだり、貧困対策の法律や施策について研究したり、場づくりや協働のノウハウを学んだり…
日頃の実践に活かせるような学びを得られる場にしていきたいと思っています。

第1回目のB@SEラボでは、今年度からスタートしている南アルプス市でのB@SEの取り組みについて、みなさんにご説明させていただいた後に、「まちに必要な学びの居場所って?」というテーマでワークショップを行いました。

 

 

今回のB@SEラボで行ったワークは、”「学び」と「居場所」を動詞化してみよう!”とうもの。
地域に居場所をつくる!!でもその居場所って、誰が何をするところなんだろうか?
「学び」や「居場所」って人によって定義がバラバラなのに、その違いを共有しないままで地域に必要な学びの居場所づくりはできないだろ!と思ったので、今回はこんな問いでみなさんと一緒に考えてみました。

 

 

「自分は何が分からないのかが分かるところ」
「世代を超えたコミュニケーションが生まれるところ」
など、様々な意見が出てきました。
今回のワークショップで出てきたアイディアはこちらにまとめていますので、興味ある方はぜひご覧ください。
▶︎|B@SEラボ vol.1| - base-bp ページ!

  

次回のB@SEラボは6月28日(水)19:00~21:00で開催予定です。
会場や内容が決定次第、正式にみなさんにお知らせしますのでよろしくお願いします。

公立高校入試の日

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2017年3月14日

ホワイトデーのこの日。
山梨県では、県立高校入試の合格発表が行われました。

 

思えば、「入試に向けて勉強できる場所がほしい」というある1人の声から毎週開いているこの場は始まりました。

なんとしてでもこの高校に行きたい!

彼の本気の想いになんとかして応えたいと、この日まで一緒に走り抜けてきました。

結果は無事に合格。
合格発表の会場で、一緒に喜びを噛み締めてきました。
最高の笑顔は忘れることのできない宝物になりました。

 

ただ、高校に合格することが私たちのゴールではありません。
これからも変わらず、本気で彼らと向き合い、心に火を灯し、「未来はつくれるんだ!」ということを見せていきます。

誰かが用意してくれた未来ではなく、自分の手で未来をつくれる人に。